雪と戦う 【ラウンド1】
私が現在住んでいる地域は、豪雪地帯です。
積雪1メートルなんて当たり前。
そのため、畑作農家である我が家は雪が積もったら、シーズンオフとなります。
そう…、農家としての仕事は実質無くなるのです。(出来ない)
仕事がない=収入がないと同じです。
そのため、ある程度の蓄え(冬の時期を乗り越えるだけの)が必要となります。
ちなみに、我が家は余裕を持って1ヶ月50万円程度の生活費でやりくりしてます。(生活費だけなので余裕です)
多分、ほかの世帯もそれぐらいか、あるいはそれ以上の余裕はあるのではないのでしょうか。
そのため、農業を営んでいる若者(数人)は暇です。
ほぼ100%の確率でパチンコに行ってます。(笑)
私は行きませんが…
では、何をしているか?
私は、趣味の読書をしたり、DIYをしたりしていますが、朝起きて最初にしなければならないことがあります…
それは、除雪!です。
スノーダンプとスコップでひたすら雪を片付けるのです。
これが、まあきつい!
私は、前の仕事柄、土を掘削したりしていた経験もあるのですが、雪はまず足元が安定しません。
滑るし、
そんななかでも、今年は降雪量が数年に一度の規模だったので、ホントしんどかった…
片付けても片付けても、雪がなくならん…
次の日にはリセットですよ…
↑近くのメイン道路です。雪が少ない頃の写真ですが、なかなかの勾配のためスノボしたくなります(笑)
我が家には、トラクターの除雪機もあるのですが、敷地が広いため(300坪くらい)、細かいところは全て手作業です。
何回か、汗かきすぎて脱水症状寸前までなったことがあります。
なので、途中から半袖で雪片付けしてます。(笑)
- 5℃の世界です。それでも体は暑いです。
外気温差で、体から湯気がでます。
『スーパーサイヤ人!!』なんて。やりたくなります。
二階にも梯子なしで登れちゃいます。
そうこうしていたら、また雪が降ってきました……
はぁ、今日も昨日の努力がリセットされるのか…
それでも、やらないといずれ雪で家が潰れてしまうかもしれない。
雪で玄関が塞がれて身動きがとれないかもしれない…
ある程度積もったら車なんて動くことは出来ません。
しかし、これが雪国に住んでいることのリスクであり、生きていくには人間の小さな力で自然に立ち向かっていくしかないんです。
雪を片付けても、誰からも誉められるわけでも、お金を貰える訳ではありません。(当たり前ですが)
この圧倒的な肉体労働を、雪国の人々は多少文句を言いながらも、こなしています。
お年寄りも子供も関係ありません。
私のおばあちゃんは、今年93歳になりますが元気に雪を片付けています。
除雪作業は疲れますが、終わったあとの熱いコーヒーでの一服は最高です。
誰のためでもない、自分のために。
生きていくために。
私は、東京圏で9年ほどサラリーマンとして生活していましたが、その期間で人間として大事なものを無くしていたかもしれません。
いま、この地に戻ってきてそれを痛感しています。
生きていくために。会社や社会のために働くのではない。
自分が生きていくために働く。
ここにはそれがあります。
だから、私は今日も文句をいいながら。
雪と戦い、勝利の熱いコーヒーを頂きます。